tea (20210413)
陽が長くなっても変わらず愛す
熱いとこ冷たいとこ
そしらぬ顔で僕のそばにいてくれる
今までどれだけぼんやり過ごしていたんだろう
シュガー無しでもおいしい
むしろ無い方が素っ気なくて好きだなんてさ
一人で通う喫茶店
目を開けても捕らえられない空白
その時間を持て余して
忙しく唸る自分が嫌だから人は複数でお茶をするの?
窓際の野生みのある育ちすぎた花
それだけでタイムスリップしてしまうんだ
あの日入れなかったあの店まで
しばらく足るを知ることはできそうもない
だからもうしばらく付き合って欲しい
嫌になるくらいの湿気
安アパートの戸棚
寝込んでいる一人ぼっちが気分次第で変える紅茶
毎日稼働する安物のケトルが
彼女の心が内臓と一緒に温かくなっていくのを見守る
「好き」よ、蒸気と一緒に
スリランカまで飛んでゆけ